高額療養費制度とは - [保険]医療保険・年金保険等

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健康保険・国民健康保険等の社会保障制度について、手続きや保険料計算の仕方、免除、扶養家族や任意継続の問題、高額医療等の給付内容から医療費控除の確定申告(国税庁)まで様々な観点から整理しています。

高額療養費制度とは



高額療養費制度とは

高額療養費制度の定義・意味など

高額療養費制度(こうがくりょうようひせいど)とは、国民健康保険健康保険などの公的医療保険において、医療費の患者負担分(病院の窓口で支払った金額。自己負担額とか一部負担金などという)が高額となる(簡単に言えば、医療費が高額になる)場合に、原則として申請により、患者の経済的負担が著しく大きくなりすぎないように一定の歯止めをかけてくれる制度をいう。

高額療養費制度の別名・別称・通称など

高額医療費

高額療養費は医療費が高額になる場合のための救済制度なので、高額医療費などと呼ばれていることも多いようであるが、これは間違いである。

高額医療費は、老人保健医療(老人保健法にもとづく老人保険制度による医療)における高額療養費の呼び名であった。

高額療養費制度の仕組み(しくみ)

自己負担限度額

高額療養費制度は、具体的には1つの医療機関の窓口で支払う一部負担金の1カ月(月の初日から末日まで)の合計が一定額(=自己負担限度額)を超えた場合、保険者(市区町村や健康保険組合)がその超えた分(=高額療養費)を申請により後で(診療した月から4カ月~後)払い戻してくれるという制度である。

つまり、高額療養費制度のおかげで、医療費の自己負担額には自己負担限度額という上限が設定されることになり、医療費の支払額に歯止めがかかる仕組みとなっている。

これにより、どんなに医療費が高額となっても、この自己負担限度額を超える額は、申請さえすれば(逆にいえば、高額療養費制度の恩恵を受けるためには原則として申請が必要ということである)、後日、高額療養費として、支給を受ける(払い戻してもらう)ことができる。

 

限度額適用認定証

ただし、高額療養費の給付を受けるには1カ月に1度の申請が必要となり手続きが大変で、また、いったんは窓口で自己負担額の全額を支払う必要があり、その払い戻しにも4カ月以上はかかるため、経済的負担が大きい。

そこで、限度額適用認定証という高額療養費制度とはまた別個の制度があり、この制度を利用すれば、申請手続きを簡略化できるだけでなく、自己負担限度額を超える額については窓口で支払う必要さえなくなる。

つまり、後払いではなくなり、窓口負担が自己負担限度額のみですむ。

とはいっても、高額療養費も限度額適用認定証もその最終的な負担額に違いはない。要は、手続きの手間の違いと3~4カ月以上の立替払いをする必要があるか否かの違いがあるだけである。

 

高額療養費制度の目的・役割・意義・機能・作用など

重い病気にかかったり、ケガや手術などで長期入院すると、多額の費用がかかり心配である。

しかし、大病をわずらって多額の医療費がかかる場合でも、この高額療養費制度があるおかげで経済的負担に歯止めがかかるので、安心して病院にかかることができる。

つまり、高額療養費制度は、国民健康保険など公的医療保険の理想・理念のひとつの具体化ともいえる、世界に誇れる、すばらしい制度といえる。

 

たとえば、国民病と言われるガン・脳卒中・心臓病では、最低でも治療費が50万円以上はかかると言われている。

仮に、ある月の医療費が100万円かかったとすると、自己負担割合は3割なので、窓口で支払わなければならない金額は30万円にもなる。

しかし、こうした場合でも高額療養費の制度があるおかげで、一般的な所得の人であれば、1カ月あたりの医療費は約8万円ほどに抑えられる。

 

高額療養費の法的根拠・法律など

国民健康保険法・健康保険

高額療養費制度は、国民健康保険法や健康保険法などの法律で定められており、その根拠は条例ではない。

つまり、国の制度であり、全国一律に適用される。

したがって、支給要件、支給額その他高額療養費の支給に関して必要な具体的事項については、政令(国民健康保険法施行令など)や省令(国民健康保険法施行規則など)レベルで定められている。

ただし、自己負担額を超える額を一時立て替えてくれる高額療養費貸付制度は条例で定められている。

国民健康保険
(高額療養費)
第五十七条の二  保険者は、療養の給付について支払われた一部負担金の額又は療養(食事療養及び生活療養を除く。次項において同じ。)に要した費用の額からその療養に要した費用につき保険外併用療養費療養費、訪問看護療養費若しくは特別療養費として支給される額若しくは第五十六条第二項の規定により支給される差額に相当する額を控除した額(次条第一項において「一部負担金等の額」という。)が著しく高額であるときは、世帯主又は組合員に対し、高額療養費を支給する。ただし、当該療養について療養の給付保険外併用療養費の支給、療養費の支給、訪問看護療養費の支給若しくは特別療養費の支給又は第五十六条第二項の規定による差額の支給を受けなかつたときは、この限りでない。
 高額療養費の支給要件、支給額その他高額療養費の支給に関して必要な事項は、療養に必要な費用の負担の家計に与える影響及び療養に要した費用の額を考慮して、政令で定める。

 

高額療養費の対象

ただし、医療機関の窓口で支払った医療費のすべてが高額療養費の対象となるわけではない。

高額療養費の対象となる医療費・対象にならない医療費の詳細については次のページを参照。

高額療養費制度―条件―対象(高額療養の対象になる医療費・対象外になる医療費)

高額療養費の申請手続き

高額な医療費の払い戻しを受けるためには、所定の申請手続きが必要となる。

高額療養費の申請方法や申請期間などの手続きについては次のページなどを参照。

高額療養費の申請手続き




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