高額療養費制度―高額療養費の計算方法①―自己負担額
自己負担額の計算方法
病院の窓口で支払った自己負担額(一部負担金)は、一定の限度額(自己負担限度額)を越えた場合、申請して認められれば、その越えた分が高額療養費として、後日支給される。
つまり、高額療養費として一体いくらお金が戻ってくるのかを知るには、次の2つのことを知る必要がある。
このうち、「1.病院の窓口で支払った自己負担額」を算定するにあたっては、一定の計算方法がある。
そこで、ここでは、自己負担額の計算方法について、まとめてる。
自己負担額の計算方法は70歳未満の人と70歳以上の人とで異なる。
なお、高額療養費の申請手続きをするには、病院からもらった領収書や支払明細書が必要になる。
その際、同じ世帯に属する人の分も合算できるので、家族全員の分もきちんと保存しておく。
70未満の人の場合
70歳未満の人の場合、自己負担額を計算するにあたっては、次のルールに従わなければならない。
1.月の1日から末日までの1カ月単位で計算する
高額療養費は、月単位で計算される。
したがって、たとえば、退院までに1カ月かからないような手術であっても、月をまたいでしまうような入院スケジュールにしてしまうと、そうでない場合(同一月内で終わるようなスケジュールにした場合)の2倍の医療費がかかることになる。
もちろん、緊急を要する場合はそんなことをいっているどころではないが、そうでない場合(緊急性を要しない場合)は、同一月内で治療が終わるよう配慮したほうが経済的な負担は少なくなる。
2.医療機関ごとに計算する
したがって、同一月に手術や検査などのために、かかりつけの病院から大学病院などに転院する場合などは注意を要する。
3.同一医療機関の診療科ごと(内科・外科などレセプト単位)に計算する
総合病院の各診療科は、1つの独立した医療機関とみなし、同一月に内科と外科など複数の科を受診しても医療費は合算せず、診療科ごとに計算する。
4.同一医療機関・同一診療科でも外来と入院は別々に計算する
5.同一の病院・診療所でも医科診療と歯科診療は別々に計算する
6.入院時に他の科の診療を受けた場合は歯科以外を合算する
7.院外処方で支払った金額は処方箋を出した医療機関などに支払った自己負担額(一部負担金)に合算する
70歳以上の人の場合
70歳以上の人の場合には、70歳未満の人の場合におけるような条件はなく、同一月内に支払った医療費のすべてが対象になる。
つまり、かかった医療費をすべて合算できる。
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