退職・定年後は任意継続と国民健康保険のどちらがお得3―ポイントは保険料!
ポイントは保険料!
医療費の自己負担割合はどれも3割
前ページで述べたように、退職後・定年後の健康保険は次の3つから選ぶことになります。
- 退職した勤務先の健康保険に任意継続(任継)というかたちで引き続き加入する(ただし、期間は2年間です)。
- 国民健康保険に加入する。
- 配偶者や子供などの家族の者が健康保険等に加入していればその被扶養者となる。
国民健康保険・健康保険ともに、原則として本人・家族の医療費の自己負担割合は3割なので、この点は変わりません(2007年5月時点)。
とすれば、ポイントはどの保険料(負担額)が安いのかということになります。
健康保険組合や共済組合などでは医療費の自己負担割合が有利(2割)であったり、資格喪失後継続療養などの特典があったりしますので、ここで述べていることはあてはまりません。
家族の健康保険に入る?
第3番目の家族の健康保険に入るという選択が、自分で保険料を支払う必要がないので、一番コストが安くつきます。
ただし、これには年収に関する条件があり、60歳以上の人の場合、年収が180万円を超えると扶養に入ることはできません。
雇用保険の失業給付を受ける場合には、この条件を満たせる人は少ないと思います。
したがって、失業給付を受けながら再就職・転職先を探すという場合には、この選択肢を選択することはできません。
では任意継続にするか国保にするか?
1.任意継続にした場合の保険料
在職中に会社が負担してくれていた保険料もあわせて負担することになるので、給料から差し引かれていた健康保険料のちょうど2倍です。
任意継続にした場合の保険料の詳細については、次のページを参照してください。
したがって、任意継続の場合の保険料は、これまでよりも高くなるのが通常です。
2.国民健康保険にした場合の保険料
これに対し、国民健康保険の保険料の場合は少々やっかいです。
市区町村により保険料の計算方法が異なっており、保険料は住んでいる地域によりかなりの格差があるからです。
保険料の計算方法についてはこのサイトでも解説していますが、市区町村の中には在職中の収入、固定資産の有無によってはかなり高額になるところもあります。
保険料が高額の市区町村に住んでいる場合には任意継続にした方がお得(保険料が年間数十万円単位で違ってくることもあり得ます)ということになりますので、市区町村の国保窓口に問い合わせてみてください。
電話で問い合わせても、その場で計算してくれると思います。
結論―選択の目安
一般的には、保険料は高くなりますが、退職後しばらくの間は、任意継続にした方が有利なことが多いようです。
これは、国保の保険料は前年の所得に応じて決まる部分が大きいため、退職前の高い給料の額が反映されるからです。
また、最初に任意継続にしておけば、2年を過ぎると国保に加入することになりますが、そのころには所得も減り、国保の保険料も安くなっています。
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