国民健康保険―保険料に関する基本知識―保険料方式と保険税方式
保険料方式と保険税方式
保険料方式と保険税方式とは
国民健康保険事業に要する費用は、保険者(市区町村)が保険料を徴収してまかなわれています。
国民健康保険法(保険料)
第七十六条 保険者は、国民健康保険事業に要する費用…に充てるため、世帯主又は組合員から保険料を徴収しなければならない。…
ただし、 保険料を徴収するかわりに国民健康保険税を課することもできます。
国民健康保険法(保険料)
第七十六条 …ただし、地方税法 の規定により国民健康保険税を課するときは、この限りでない。
つまり、国民健康保険のいわゆる「保険料」には、次の2つの方式があるということです。
国民健康保険法では、保険税方式が但し書きをされていることから、保険料方式が原則で、保険税方式は例外と位置づけていることがわかります。
しかし、市区町村は、条例で保険税方式か保険料方式のどちらを採用するかを定めることができ、多くの市区町村では保険税方式を採用されています。
これには、以下に述べるような理由があるからです。
国民健康保険料と国民健康保険税の違い
徴収する「保険料」の法的性質を保険料とするか、保険税とするかで、法律的には次のような大きな違いがあります。
1.滞納「保険料」の時効
「保険料」を滞納した場合、保険料は2年で時効にかかりますが、保険税では5年で時効にかかります。
つまり、保険税方式によるほうが、時効にかかりにくいということで、その分未納分の減少に資することになります。
2.滞納処分の優先順位
国民健康保険料(保険税)を滞納すると、差押えなどの滞納処分を受ける場合があります。
その差し押さえの順番ですが、保険料だと住民税の次順位ですが、 保険税では住民税と同順位となります。
3.遡及賦課
国民健康保険への加入日は、加入届出をした日ではなく、加入要件を満たした日となります。
そのため、「保険料」についても、その日付まで遡及して賦課することとなります。
これが保険料では最長2年前までですが、保険税では最長3年前までとなります。
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