公的医療保険の主体
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公的医療保険の保険者、適用対象、被保険者、被扶養者などを、その種類別に取り扱う。
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公的医療保険の運営者―保険者
保険者とは、医療保険事業を自己の事業として行い、自己の計算において保険料(税)を徴収して保険給付を行い、その他事業に付随する業務を行うものをいう。たとえば、国民健康保険では市区町村、健康保険(政府管掌健康保険)では全国健康保険協会(協会けんぽ)が保険者とされている。公的医療保険の運営者―保険者―健康保険の場合―健康保険組合(健保組合)
健康保険組合とは、主に大企業の従業員とその被扶養者を被保険者とする健康保険(=組合管掌健康保険)の保険者で、国から認可を受けて、国が行う健康保険事業を代行する公法人をいう。企業単位または業界単位で組織されている(たとえば、トヨタ自動車健康保険組合など)。健康保険組合が運営する健康保険では、健保組合の財政状況に応じた附加給付を支給したり、独自の健康づくり事業(人間ドックの助成など)を実施できるなどといったメリットがある。公的医療保険の運営者―保険者―健康保険の場合―全国健康保険協会(協会けんぽ)
全国健康保険協会とは、自社の健康保険組合を持たない中小企業の従業員とその被扶養者を被保険者とする健康保険(=政府管掌健康保険)の保険者(=運営者)で、厚生労働省が所管する特別民間法人をいう。国(社会保険庁)が運営する政府管掌健康保険を移行するために、2008年(平成20年)に設立された。愛称は協会けんぽである。本部と47都道府県支部で構成される(たとえば、全国健康保険協会東京支部など)。公的医療保険の運営者―保険者―国民健康保険の場合―国民健康保険組合
国民健康保険組合とは、職能団体などが互助会的に運営している組合で、市町村と並ぶ国民健康保険の保険者(=運営者)である。市町村が運営する国民健康保険(いわゆる市町村国保で通常の国民健康保険)では、一定の収入以上であれば、一般的には保険料がかなりの負担となってくる。また、保険料は毎年増減し、生活費などの計算もしづらくなるという側面もある。これに対して、国民健康保険組合の多くでは、市町村国保とは異なり、保険料が定額となっている。公的医療保険の適用対象者―被保険者
被保険者とは、所定の保険給付を受ける資格がある者をいう。その資格要件は、健康保険や国民健康保険など各制度ごとに定められている。国民健康保険では、被保険者は個人単位であるが、加入は世帯単位となる。したがって、保険証は家族1人1人に交付されるが、保険料の支払いは世帯ごとに行う。公的医療保険の適用対象者―被扶養者―健康保険の場合
被扶養者とは、被保険者本人によって扶養されている人をいう。被扶養者になるには一定の要件があるが、所定の手続きをして被扶養者になれば、保険料を支払うことなく、病気・けが・死亡・出産について保険給付を受けることができる。公的医療保険の適用対象者―被扶養者―健康保険の場合―要件①被扶養者になれる範囲の人であること(被扶養者の範囲)
被扶養者になれる範囲の人としては、まずは、配偶者、子・孫、弟妹、父母、祖父母など直系尊属があるが、これらの人は被保険者と別居でもよい。次に、被保険者と同一の世帯であることが条件とされるが、被保険者の三親等内の親族、内縁関係の配偶者の父母と子も被扶養者になれる。公的医療保険の適用対象者―被扶養者―健康保険の場合―要件②主に被保険者本人の収入により生計を維持されていること(被扶養者の収入条件)
「主に被保険者本人の収入により生計を維持されていること」とは、被保険者の収入により、その人の暮らしが成り立っていることをいう。その認定基準はその人が被保険者と同一の世帯かどうかで異なってくる。たとえば、被保険者と同一の世帯の場合は、原則として、年間収入が130万円(60歳以上、あるいは一定の障害者の場合には、180万円)未満で、かつ、被保険者の年収の2分の1未満であれば、被扶養者になることができる。
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