国民健康保険料(保険税)の節約・削減・節税―一般的な節税対策
国民健康保険料(保険税)の節約・削減・節税の方法―一般的な節税対策
概要・概略・全体像
所得税や住民税では、確定申告にあたり、きちんと節税対策をしているかいないかでは、大きな差が出てきます。
そして、所得税や住民税でとられた節税対策は、そのまま100%というわけではありませんが、国民健康保険料(保険税)においても、一定の効果を発揮します。
ただし、あくまで「一定」の効果となります。
たとえば、かりに所得が低く(あるいは、低く抑えられたため)、所得税や住民税がゼロであっても、国民健康保険料(保険税)はゼロとはなりません。
ここでは、国民健康保険料(保険税)の削減・節税に効果的な節税対策と、そうではないものを簡単に説明します。
国民健康保険料(保険税)の削減・節税に効果的な節税対策
1.必要経費をきちんと計上する
国民健康保険料(保険税)の内訳の一つに、所得または住民税に比例した所得割があります。
この所得割が、保険料(保険税)の中心的な部分となりますので、確定申告できちんと必要経費を計上して、所得または住民税を抑えることで、結果的に国民健康保険料(保険税)も安くすることができます。
以下、その仕組みについて簡単に説明します。
所得税の対象となるのは、すべての収入ではありません。
収入から経費を差し引いた所得が所得税の対象です。
所得=収入(売上)-経費(いわゆる必要経費)
ただし、所得税法上、特別に所得控除という制度が設けられていて、この所得からさらに扶養控除(子供や両親などの扶養家族がいる場合)、配偶者控除、社会保険料控除といった各種の控除額を差し引けるようになっています。
結局、次のような関係が成り立ちます。
所得税の対象=収入-必要経費-各種所得控除
つまり、節税対策の対象には、大別すると、次の2つの要素があることがわかります。
- 必要経費
- 所得控除
必要経費や所得控除の額が大きくなれば、その分所得税の対象が少なくなるという関係です。
このうち、必要経費を計上することで、所得を抑え、税額を減らす(=節税)という方法は国民健康保険料(保険税)でも通用します。
ただし、国民健康保険料(保険税)の算定にあたっては、所得控除の要素は考慮されません。
そして、これが国民健康保険料(保険税)を割高にする一つの大きな要因となっています。
たとえば、所得税の代表的な節税対策の一つとして、所得控除の一つである社会保険料控除を利用するというものがあります。
具体的には、国民年金基金などの社会保険料を積極的にかけていくことで、その分が所得税の課税対象から外されるというものです。
しかし、国民健康保険では、国民年金だけでは老後の最低限の生活さえ確保されないため、別途国民年金基金などの掛金を支払ったとしても、それはその人の勝手であって、国民健康保険料(保険税)はそれとは別にきちんと払ってもらいますよ、というような考え方のわけです。
つまり、国民年金基金などをかけたから、国民健康保険料(保険税)が支払えなくなったということは許されないということで、まずは、国民健康保険料(保険税)を支払ってからにしてくださいという理屈です。
2.特別控除の制度を活用する
このように国民健康保険料(保険税)の算定にあたっては、所得控除は考慮されませんが、所得税法上の各種特別控除の制度については考慮されるようになっています。
具体的には、青色申告の大きな特典とされている次の2つの制度を活用することで、所得税を節税し、結果的に国民健康保険料(保険税)も安くすることが可能となります。
青色申告特別控除
青色申告者は、通常の必要経費以外の特別控除が受けることができます。
青色申告特別控除がそれで最高65万円控除できますので、その分所得税が節税でき、国民健康保険料(保険税)も安くなる可能性があります。
青色事業専従者給与の必要経費参入
青色申告をしている場合は、事業専従者に支払った給与の全額を経費にできます。
もちろん、そのために税務署に各種届出が必要となったり、給与額によっては(8万7千円以上)源泉徴収事務も発生します。
また、専従者の給与が一定額(いわゆる「103万円の壁」)を超えると、その人に所得税が発生したりするなど、総合的に損得を計算する必要はあります。
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