医療保険―評価・批評・批判など
医療保険の評価・批評・批判など
日本の公的医療保険の評価
日本の公的医療保険の制度は、世界でも充実した社会インフラです。
日本では、ごく当たり前に、自由に病院を選択して、お金の心配をあまりすることなく治療を受けることができます。
時間と場所さえ問わなければ、どんな大病院・有名な病院の治療だって受けることができます。
また、医療費がどんなに高額になっても、高額療養費制度があって、その大半が払い戻されます。
これは、支払えるお金の多寡により、受けられる医療サービスが異なってくるアメリカに比べると、大変に恵まれた状況といえます。
日本の民間医療保険の評価・批評・批判
医療保険とは、病気やケガに備えて、皆で保険料(掛金)を出し合っておき、実際に病気やケガをした場合には、給付が行われる(保険金が支払われる)保険をいいます。
この本来の意味での完全な医療保険は、日本では公的医療保険だけです。
なぜなら、民間医療保険では、医療費自体が保険の対象となっていないからです。
つまり、一般的な民間医療保険では、保険の対象は所定の日数の入院で、入院給付金を支払うタイプのものです。
通院や短期入院には給付金(保険金)は支払われません。
しかも、一定の年齢で保障が終了する(保険期間に制限があるということ)のが一般的です。
たとえば、入院給付金が支払われるのは入院5日目からで最大3カ月分だけ、そして、65歳になれば契約は終了するという具合です。
こうした従来型の医療保険とは異なる、保険期間に制限がない終身医療保険という、一種の金融商品も登場しています。
したがって、民間医療保険は、医療保障というよりは、むしろ生活保障(所得保障)というべきものです。
高齢化社会を背景に、死亡するリスクよりも、長生きによる医療費負担のリスクが大きくなってきたため、民間の保険では、生命保険から医療保険へとシフトする傾向もあるといわれています。
しかし、世界でも、これほどたくさんの生命保険、医療保険に入っている国民はないともいわれます。
民間保険会社は、日本人の心配性につけこんでいるだけであって(不安をあおる不安商売)、民間の医療保険には入る必要はあまりないという識者も多いです。
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