民間医療保険―分類・種類―終身医療保険
終身医療保険とは
終身医療保険の定義・意味・意義
終身医療保険とは、保険期間の制限のない(保障が一生涯続く)民間医療保険をいいます。
終身医療保険のメリットとデメリット
終身医療保険のメリット(特色・特徴)―従来型の医療保険との違い
1.保険期間に制限がない
従来型の民間医療保険は、一定年齢で契約が終了します。
つまり、保険期間に制限があるということです。
たとえば、65歳になれば契約は終了するという具合です。
しかし、終身医療保険では、保険期間に制限がなく、保障が一生涯続きます。
2.対象となる入院日数が拡大されている
従来型の民間医療保険は、所定の日数の入院を対象としています。
たとえば、入院給付金が支払われるのは入院5日目からで最大3カ月分だけという具合です。
しかし、終身医療保険では、入院初日から入院給付金が支払われたり、最大2年間の入院を保障するなど、その保険金の支払範囲が拡大されています。
3.保険料が生涯変わらない
終身医療保険では、保険料はずっと変わりません。
終身医療保険のデメリット
終身医療保険のメリット(特色・特徴)を見ていると、いいことづくめのようですが、よく考えてみると、そうとばかりはいえません。
1.「保障が一生涯続く」のは本当に必要?
民間医療保険は、公的医療保険とは異なり、その性格は基本的には、医療保障というよりは、むしろ生活保障(所得保障)というべきものです。
したがって、そうした保障が必要な人というのは、病気やケガで入院すると、給料が減ったり、もらえなくなったりする人たちです。
しかも、こうした事態に備えるための制度は、公的医療保険に完備されています。
年金で生活できる人は、医療費さえ公的医療保険で保障されるならば、それで十分ともいえます。
病気やケガで入院しても収入が減るわけではなく、そもそも所得保障の必要がないからです。
その意味で、従来型の民間医療保険が保険期間に制限を設けている(たとえば、65歳で契約が終了する)のは、合理的な理由があるといえます。
また、支払われる保険金は契約時に決まりますので、インフレにより、遠い将来に受け取ることになる「1日1万円」などといった保険金にどれだけの貨幣価値があるかはわかりません。
くわえて、「保障が一生涯続く」ということは、もし終身払いを選択している場合には、これは死ぬまで保険料を支払わなければならないということでもあります。
2.入院日数が拡大されたら本当に得をする?
終身医療保険は長期入院に対応していることが大きなメリットの一つですが、医療費増大を背景に、そもそも長期入院すること自体が難しくなってきています。
実際に、ひとつの病気で入院できる日数は3カ月程度ともいわれています。
もちろん、長期入院することになる可能性はゼロではありませんから、終身医療保険に加入することがまったく無意味だということではありません。
しかし、レアケースを想定して割高の保険料を支払い続けることになるのだ、という意味は理解しておく必要があるでしょう。
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