公的医療保険の歴史
ここでは、医療保険の歴史について、高校で学ぶ政治経済のレベルの知識をごく簡単にまとめてみました。
もちろん歴史など知らなくても全然問題はないのですが、人類が長い苦闘の果てに獲得した制度であることを学ぶことで、その有り難みが感じられる一助になるのではないかと思います。
なお、医療保険を含む社会保険(医療保険の上位概念)制度は、社会保障制度の一つとして位置づけられていますが、日本における社会保険制度(広義)は、次の5つの保険から構成されています。
このうち、医療保険・年金保険・介護保険の3つを狭義の社会保険、雇用保険と介護保険の2つを労働保険と呼ぶこともあります。
世界の社会保険の歴史
ドイツ
世界で最初の社会保険制度は、ドイツのビスマルクの「飴と鞭(アメとムチ)」政策の一環として、1880年代に創設された制度です。
日本の社会保険も、このドイツのビスマルクの社会政策をお手本にしてスタートしています。
ただし、国民皆保険=国民健康保険という制度は、ドイツにはありませんでした。
日本の医療保険の歴史
戦前
日本で最初の社会保険は、戦前にまで遡り、1922年に健康保険法が制定されています。
その後、同法は1927年に施行されましたが、これは、工場や鉱山などの労働者本人だけを対象とするものでした。
そして、1938年には、農山漁村の民を救済するために、国民健康保険法が制定されています。
戦後
戦後、農業や自営業者、零細中小企業の従業員を中心に、国民の約3分の1が無保険者で、社会問題となっていました。
そこで、1958年に健康保険加入を義務づける新しい国民健康保険法が制定されました。
そして、1961年に、国民健康保険事業が全国の市町村で始められ、いわゆる国民皆保険(誰もがいつでもどこでも保険医療を受けることができる)が実現されたといわれています。
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